地震の揺れを感じたら?状況別に身を守る5つのポイント
大きな揺れを感じた瞬間、「まず何をすればいい?」「外に出たほうが安全?」と迷って固まってしまう人は少なくありません。 しかし、地震の被害は揺れそのものだけでなく、建物の倒壊や火災、津波、土砂崩れ、ライフラインの停止など、さまざまな形で襲ってきます。 だからこそ、 「どんな危険があるのか」と「いる場所ごとの安全な行動」を、平常時からイメージしておくことが大切です。 この記事では、首相官邸の「地震では、どのような災害が起こるのか」「地震の時はどのように行動したらいいか?」の解説をもとに、 地震で起こりうる被害と、場面別の身の守り方を5つのポイントに整理して紹介します。
この記事の流れ
1. 地震で起こる主な災害を知っておく
一口に「地震の被害」といっても、その中身はいくつかのタイプに分かれます。
- 海岸部を襲う津波による浸水・流出
- 建物の倒壊や外壁・窓ガラスの落下による下敷きやケガ
- 倒れた家具やガス機器などをきっかけにした火災の発生・延焼
- 土砂崩れ・がけ崩れによる道路の寸断や家屋被害
- 地盤が緩んで起こる液状化現象による建物の沈下や傾き
- 停電・ガス停止・断水などライフラインの途絶
- 道路・線路の損傷や安全確認のための交通機関の長時間ストップ
まずは「自分の住んでいる地域で、どのタイプの被害が起こりやすいか」を知っておくことが、 その後の備えや行動を考えるうえでのスタートラインになります。
2. 揺れを感じた直後の共通アクション
地震の揺れを感じたとき、または緊急地震速報を見聞きしたときに大切なのは、 「とにかく急いで外に出ること」ではなく、 その場でまず身の安全を確保することです。
- 近くの落下物や倒れてきそうなものを確認し、頭を守る姿勢をとる
- 揺れている間は無理に移動せず、倒れにくい場所で低い姿勢を保つ
- 揺れがおさまったら、テレビ・ラジオ・スマホなどで正しい情報を確認する
- 津波や土砂災害のおそれがある地域では、早めに高台や安全な方向への避難を検討する
強い揺れの地域では、情報が出そろうまで多少時間がかかることもあります。 「まず身を守る」「落ち着いて情報を確認する」という順番を意識しておきましょう。
3. 家庭の中にいるときの安全行動
自宅など屋内にいるときに強い揺れに襲われた場合、 大きな家具やガラスから身を守る行動がポイントになります。
- 本棚や食器棚など背の高い家具から離れ、頭をクッションやバッグで守る
- 近くにあれば丈夫な机の下に入り、脚をしっかりつかんで揺れに備える
- あわてて外に飛び出さず、ドアや窓ガラスから少し離れた位置で揺れをやり過ごす
- 火を使っている場合は、その場で無理なく消せるかを判断し、難しければ無理に戻らない
- 揺れがおさまったら、玄関や窓を少し開けて避難経路を確保しておく
事前に家具の固定や配置の見直しをしておくと、「どこが比較的安全なスペースか」が分かりやすくなります。
4. 人が多い場所・乗り物にいるとき
ショッピングモールや映画館など人が多い施設、エレベーターや電車・バスの中で揺れに遭うこともあります。 それぞれの場面で、パニックを避ける行動が大切です。
- 大規模店舗・イベント会場など 係員やスタッフの指示に従い、慌てて出口や階段へ殺到しないようにします。 吊り下がった照明や看板の下から離れ、頭を守る姿勢をとります。
- エレベーター内 強い揺れを感じたら、最寄りの階で停止させ、ドアが開いたらすぐに降ります。 無理に上階や地下階まで行こうとせず、その場での安全を優先します。
- 電車・バスなど つり革や手すりをしっかり握り、急に歩き回らないようにします。 車両が停止しても、乗務員の指示があるまで勝手に線路上へ降りないことが重要です。
人が多い場所では、「自分だけが早く出よう」と動くほど、将棋倒しや転倒のリスクが高まります。 周囲と声を掛け合い、冷静に行動しましょう。
5. 屋外・山・車・大都市で揺れに遭ったら
歩いているときや車を運転しているとき、山沿いやビル街など、屋外で地震に遭うこともあります。 それぞれの場所で、次のような点に注意します。
- 道路や屋外にいるとき ブロック塀や自動販売機のそばから離れ、ビルの外壁や看板、窓ガラスの落下に注意して、 できるだけ開けた場所へ移動します。
- 山やがけの近くにいるとき 落石やがけ崩れのおそれがあるため、がけから離れる方向へ移動し、斜面の真下にはとどまらないようにします。
- 自動車を運転中のとき 急ブレーキや急ハンドルは避け、ゆっくり減速して道路の左側に停車します。 ハザードランプを点灯して周囲に注意を促し、ラジオなどで情報を確認します。
- 大都市の中心部で揺れに遭ったとき ガラスや看板の落下、火災、群衆の転倒などの危険があるため、 むやみに移動を始めず、比較的安全な建物内などにとどまることも選択肢です。
特に大きな地震の後は、数日間にわたって余震や火災などのリスクが続きます。 安全な場所を確保したら、無理に帰宅を急がず、自治体や公共交通機関からの情報を確認して行動しましょう。
まとめ:まず「身を守る」、次に「情報を確かめる」
地震のときの行動で大切なのは、「すぐに外に出る」ことではなく、 いる場所ごとに最も安全な行動を選ぶことです。 自宅の中、職場や商業施設、通勤中の電車や車、屋外や大都市の中心部―― それぞれの場面を具体的にイメージしておくことで、いざというときの迷いを減らせます。
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