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土砂災害から身を守るためには?

土砂災害のイメージ

大雨の予報を見たとき、「自宅の近くは土砂災害が起こりやすい?」「どの情報を見て、いつ判断すればいい?」と迷うことはありませんか。 土砂災害は、同じ雨でも場所の条件によって危険の高まり方が変わります。ふだんから確認しておけることと、雨が降り出してから注目したい情報、避難が難しいときの考え方まで整理しておくと、落ち着いて選びやすくなります。 この記事では、首相官邸の防災情報をもとに、状況別・場所別のポイントをまとめます。

1. まず確認:自宅や職場が「土砂災害警戒区域」かどうか

ハザードマップで地域の危険箇所を確認するイメージ

土砂災害のおそれがある地区は「土砂災害警戒区域」などとされています。自宅や職場、よく通る道が該当するかどうかは、 都道府県や国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などで確認できると案内されています。 あわせて、市町村が作成する土砂災害ハザードマップで、避難場所や避難経路を確認しておくことが大事だとされています。

なお、土砂災害警戒区域などに当てはまらない場所でも、土砂災害が発生する場合があるとされており、近くにがけ地や小さな沢がある場合は注意が必要だと示されています。

この段階で押さえておきたいこと

  • 自宅や周辺が、土砂災害警戒区域などに当てはまるかを確認する
  • 避難場所と、避難経路(どの道を使うか)を把握しておく
  • 近くにがけ地や小さな沢がある場合は、地形の特徴を意識しておく

2. 雨が降り出したら:土砂災害警戒情報と雨量の情報

雨の状況に合わせて防災情報を確認するイメージ

雨が降り出したら、「土砂災害警戒情報」に注意することが紹介されています。土砂災害警戒情報は警戒レベル4相当の情報で、 市町村が警戒レベル4の避難指示を出す目安となる情報だと説明されています。 確認先としては、気象庁のホームページや都道府県の砂防に関するページ、テレビやラジオなどが挙げられています。

情報の見方を「場面分け」しておく

  1. 雨が降り始めた段階:土砂災害警戒情報が出ていないかを確認する
  2. 大雨警報(土砂災害)や土砂災害警戒情報が気になる段階:危険度分布(「土砂キキクル」)で、どこで危険が高まっているかを見ておく
  3. 自治体の避難情報が出た段階:自分の場所・経路の安全性を改めて確認し、行動を選ぶ

「土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)」は、土砂災害の危険度の高まりを地図上で5段階に色分けして表示し、一定間隔で更新すると説明されています。 雨が強まってきたときや、大雨警報(土砂災害)や土砂災害警戒情報が出たときなどに、実際にどこで危険度が高まっているかを把握するのに役立つとされています。

3. 避難を考えるタイミング:警戒レベルと地域の声かけ

地域で声をかけ合いながら避難先を確認するイメージ

土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表されたら、自治体からの警戒レベル4の避難指示の発令に留意し、 「土砂キキクル」なども参考にしながら、地域内で声をかけ合い、近くの避難場所など安全な場所に避難することが示されています。 また、避難に時間がかかる人がいる場合や、夜中に大雨が想定される場合には、警戒レベル3(高齢者等避難)のタイミングなどで早めに避難することがより安全だと説明されています。

判断のポイント(例)

  1. 警戒レベル3が出ている・出そうな状況:避難に時間がかかる人は、移動を含めて早めに考える
  2. 土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当)が発表された状況:自治体の避難指示に注意しつつ、安全な場所への避難を具体的に検討する
  3. 危険度が極めて高い状況が示される場合:身の安全を確保する行動が重要だと説明されている

4. 移動が難しいとき:屋内での安全確保の考え方

家の中でより安全な場所に移動するイメージ

土砂災害の多くは木造の1階で被災しているとされており、避難場所への避難が困難なときは、 近くの頑丈な建物の2階以上や、家の中でより安全な場所(がけから離れた部屋や2階など)に移動することが示されています。

移動が難しい場面の「選択肢」の整理

  1. 避難場所へ向かう移動が安全にできる場合:自治体の案内に沿って避難を考える
  2. 土砂の流出や浸水などで移動自体が難しい場合:頑丈な建物の2階以上へ移動する考え方が示されている
  3. 自宅内で過ごす必要がある場合:がけから離れた部屋や2階など、より安全な場所へ移動する考え方が示されている

ふだんから避難訓練に参加して避難に慣れていると、避難行動を起こしやすくなると説明されています。 市町村などが行う土砂災害の避難訓練への参加も紹介されています。

5. 前兆現象:気づきやすいサインと、周囲への連絡

斜面の変化や異音など前兆に気づくイメージ

土砂災害警戒情報などが出ていない場合でも、前兆現象がみられることがあります。首相官邸の防災情報では、 前兆現象が確認できた場合は周りの人と安全な場所に避難し、市町村などに連絡することが示されています。

土砂災害の主な前兆現象(例)

  • がけや地面にひび割れができる、がけや斜面から水が湧き出る
  • 井戸や川の水が濁る、湧き水が止まる・または濁る
  • 小石がバラバラと落ちてくる、地鳴り・山鳴りがする
  • 降雨が続くのに川の水位が下がる
  • 樹木が傾く、立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる

まとめ:場所の確認と、情報の見方をそろえると判断しやすくなる

土砂災害は、雨の量だけでなく、がけ地や沢など地形の条件で危険が高まりやすくなります。まずは自宅周辺が土砂災害警戒区域などに当てはまるかを確認し、避難場所と経路を把握しておくと、雨が降ったときに迷いにくくなります。雨のときは土砂災害警戒情報や「土砂キキクル」を確認し、自治体の避難情報と合わせて行動を選ぶことが紹介されています。移動が難しい場合の安全確保や前兆現象も、家族で共有しておくと安心につながります。

  1. 今日できる行動:ハザードマップで、土砂災害警戒区域かどうかと避難場所・避難経路を確認する
  2. 今日できる行動:雨の日に見る情報(土砂災害警戒情報・土砂キキクル・自治体の避難情報)を、家族で同じ順番で確認できるようにしておく
  3. 事前に決めておくこと:移動が難しい場合に備えて、家の中で「がけから離れた部屋」や「2階」など、より安全な場所を共有しておく