竜巻から身を守るためには?
空が急に暗くなったり、雷の音が近づいてきたりすると、「これって竜巻につながるの?」「どこに移動すれば安全?」と迷うことはありませんか。 竜巻は短い時間で状況が変わりやすく、飛んできた物による危険も大きいとされています。あらかじめ“兆しの見分け方”と“確認したい情報”、そして屋外・屋内それぞれの行動を整理しておくと、いざというときに選びやすくなります。 この記事では、首相官邸の防災情報をもとに、竜巻への備えと身の守り方をまとめます。
目次
1. 起こりやすい気象条件と、積乱雲が近づく兆し
竜巻は、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流で発生する激しい渦巻きだとされています。台風、寒冷前線、低気圧など、積乱雲が発生しやすい気象条件のときに起こりやすいと説明されています。 日頃から、気象庁が発表する「竜巻注意情報」に注意するとともに、空の変化にも目を向けることが紹介されています。
積乱雲が近づいている兆し(例)
- 真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる
- 雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする
- ひやっとした冷たい風が吹き出す
- 大粒の雨や、ひょうが降り出す
また、発達した積乱雲の付近では、竜巻だけでなく、ダウンバーストやガストフロントと呼ばれる突風による被害もあるため、あわせて注意が必要だと説明されています。
2. 竜巻の被害の特徴と、危険が増えるポイント
竜巻の被害は、数分から数十分という短い時間に、長さ数キロメートルから数十キロメートル、幅数十メートルから数百メートルの狭い範囲に集中し、甚大になることがあるとされています。 また、移動速度が非常に速い場合があること、強い竜巻では建物が倒壊したり車が転倒することがあると説明されています。
特に気をつけたい危険の増え方
- 様々な物が巻き上げられ、猛スピードで飛んでくることがある
- 屋内でも、飛来物で窓ガラスが割れたり、壁に刺さったりすることがある
- 軽い木材でも、速度によっては壁を突き破ることがあるとされている
3. 情報の見方:竜巻注意情報と、危険度の確認
気象庁は、竜巻やダウンバーストなどによる激しい突風が予測されるときに「竜巻注意情報」を発表し、目撃情報などからおそれが高まったと判断した場合にも発表すると説明されています。 有効期間は発表からおおむね1時間とされています。
時間を追って発表される情報(例)
- 半日から1日程度前:気象情報で「竜巻などの激しい突風のおそれ」が明記される場合がある
- 数時間前:雷注意報で「竜巻」と明記され、注意が呼びかけられる場合がある
- 今まさに発生しやすい状況:竜巻注意情報が発表される
竜巻注意情報が出たときは、周囲の空の様子に注意しながら、気象庁の「ナウキャスト(雨雲の動き・雷・竜巻)」で危険度が高まっている領域をこまめに確認し、 「竜巻発生確度ナウキャスト」と組み合わせて利用することが効果的だと説明されています。 竜巻発生確度ナウキャストは、竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度を推定し、10キロメートル格子単位で解析して、10分ごとに更新されるとされています。
発生確度の読み取り(要点)
- 発生確度2:激しい突風が発生する可能性があり、急な突風への注意が必要とされている
- 発生確度1:確度2より低いが、竜巻などの突風が発生する可能性がある状況とされ、屋外での作業や行事への影響に留意が必要とされている
- 確度が現れていない場合でも、積乱雲があれば突風が発生することがあるとされている
4. 竜巻が近いと感じたとき:屋外・屋内での身の守り方
竜巻が発生したとき、建物などの被害そのものを防ぐことは難しい一方で、身の安全を守る行動はできると説明されています。 また、竜巻は短時間に様々な物を巻き上げながら甚大な被害をもたらすため、撮影などよりも身の安全確保が優先だとされています。 ここでは、首相官邸の防災情報で示されているポイントを、場面別に整理します。
場面別の選び方(例)
- 屋外にいる場合:近くの頑丈な建物に移動する、または頑丈な構造物の物陰で身を小さくする
- 物置・車庫・仮設の建物:避難場所としては危険になりやすいとされている
- 周辺に身を守る建物がない場合:水路などくぼんだところで身を伏せ、両腕で頭や首を守る
屋内にいる場合のポイント
- 一般の住宅では、雨戸・窓・カーテンを閉め、1階の窓のない部屋へ移動する考え方が示されている
- 丈夫な机やテーブルの下に入るなど、身を小さくして頭を守る
- 大きなガラス窓の下や周囲は危険になりやすいとされ、窓ガラスから離れることが示されている
5. ふだんの備え:避難の考え方と、窓ガラス対策
竜巻への備えは、「情報を受け取れる状態」と「その場で身を守れる場所」を事前にそろえておくことが紹介されています。 また、人が大勢集まる屋外行事や高所作業など、避難に時間がかかる状況では、気象情報や雷注意報にも留意し、余裕をもった判断が大切だと説明されています。
ふだんから整理しておきたいこと
- 竜巻注意情報などの情報を入手する手段を確認しておく
- 屋内外での避難場所・避難方法を考えておく
- 窓ガラスの破砕防止として、飛散防止フィルムを貼るなどの対策も有効とされている
- 加入している保険が竜巻による被害を対象としているか、確認してみることが紹介されている
まとめ:兆しに気づき、情報を確認し、身を守る場所を選びやすくする
竜巻は短い時間に狭い範囲へ大きな被害をもたらし、飛来物による危険もあるとされています。発達した積乱雲が近づく兆し(急に暗くなる、雷、冷たい風、大粒の雨やひょう)を知り、竜巻注意情報やナウキャストを組み合わせて確認できると、状況に合う行動を選びやすくなります。屋外と屋内で身を守る場所の候補を決めておくことも大切です。

